有料サービスであるChatGPT PlusとMicrosoft 365 Copilotは、どちらも自然言語による指示に基づいて、ドキュメントやプレゼンテーションなどの作成や修正を一部自動化したり、補佐することができる対話型AI機能です。しかし、両者には重要な違いがあります。それは、ユーザーが入力した情報を学習に使用するかどうかという点です。
ChatGPT Plusのサービスは、OpenAIが開発した会話型AI「ChatGPT」の有料プランです。月額20ドル(約2,600円)で利用できます。ChatGPTはインターネット上の大量のテキストデータから学習しており、その中には個人情報や機密情報も含まれている可能性があります。また、ChatGPT Plusはユーザーが入力した情報をサーバーに送信し、その情報をさらに学習することで機能を向上させています。これは、ユーザーのプライバシーを侵害する恐れがあるだけでなく、セキュリティリスクも高めることになります。
一方でMicrosoft 365 Copilotは、Microsoftが提供する対話型AI機能です。ベース技術はGPT-4とChatGPT Plusで使用されているものと同等でありつつ、Microsoft 365の各サービスに統合される予定であり、ユーザーの契約範囲内で動作します。Microsoft 365は月額650円(税抜)から利用できます。ユーザーが入力した情報はMicrosoftの管理するサーバーに送信されますがそれが学習に使用されることはありません。
目次
ChatGPT Plusに関連するプライバシーポリシーと利用規約を確認する
OpenAI Privacy policy(プライバシーポリシー):
このプライバシーポリシーは、ChatGPT Plusを提供するOpenAIが、ユーザーの個人情報をどのように収集、使用、共有するかについて説明しています。 その概要は以下です。(2023年3月18日時点で筆者が抜粋意訳したものであり、今後更新される可能性があります。)
収集される情報:
- 登録時に提供された情報
- サービスの利用に関する情報(チャット履歴、検索履歴など)
- 自動収集された情報(IPアドレス、ブラウザの種類など)
利用される目的:
- サービスの提供
- サービスの改善
- 新しいサービスや機能の提供
- 広告の表示
共有される情報:
- ユーザーの同意がある場合
- 法的要求がある場合
- OpenAIと契約している第三者との共有
OpenAI Terms of use(利用規約):
この利用規約は、ChatGPT Plusを利用する際の条件を定めています。以下は主な内容です。(2023年3月18日時点で筆者が抜粋意訳したものであり、今後更新される可能性があります。)
- ChatGPT Plusは有料のサブスクリプションサービスであり、ユーザーは定められた料金を支払う必要があります。
- サービスの利用にあたっては、OpenAIが定めるルールに従わなければなりません。
- OpenAIは、ユーザーがサービスを利用することを拒否することがあります。
- OpenAIは、サービスを停止または中止することができます。
ChatGPT Plusを利用した場合、チャットの内容は学習に利用される可能性があります。ただし、OpenAIはユーザーの個人情報を保護するために、情報を匿名化し、セキュリティーに最大限配慮されます。また、機密情報などセキュリティに係る情報についても同様に保護され、ユーザー以外が知り得ない情報のまま、秘匿された状態でやり取りすることができます。
Microsoft 365 Copilotの利点
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365の各サービスに統合される予定であり、ユーザーの契約範囲内で動作します。ユーザーが入力した情報はMicrosoftの管理するサーバーに送信されますがそれが学習に使用されることはありません。Microsoft 365 Copilotは既存のMicrosoft 365製品と連携し、TeamsやOneDrive、Outlook、SharePointなどから必要な情報を取得して処理します。これにより、ユーザーのプライバシーとセキュリティを保護しながら効率的な仕事ができるようになります。
以上の点から考えると、Microsoft 365 CopilotはChatGPT Plusよりも優れたサービスであると考えます。Microsoft 365 Copilotは明確にユーザーのデータ保護を約束しておりChatGPT Plusでは見られない信頼性と安全性を提供すると言えます。また Microsoft 365自体が多彩な業務シナリオに対応できる柔軟性を備えているためこれを使わない手はないでしょう。
まとめ
残念がら2023年3月24日時点ではMicrosoft 365 Copilotは限られたユーザーにのみプレビュー提供されているため一般に利用することはできませんが近いうちに提供を開始することでしょう。それまではChatGPTや新しいBingなどで個人情報や気密性の高い情報を含まない範囲でチャットベースの対話型AIに慣れておくと、いざサービスが開始したときにすぐ活用できるでしょう。
はやくMicrosoft 365 Copilotを使ってみたいです。